room. / Kobaicho Osaka

​

ヘッドスパを中心にカットやカラーなども行う個室制の美容室。「長時間滞在で高単価」というサービスの形態上、それに見合った特別な体験が必要であると考えた。計画したのはシーンの移り変わりのなかでクライアントに驚きを与えること。店での体験が物語の様に心に残る、そんな空間を目指した。

「ゆったりとしたラウンジに飾られたボタニカルアート。実はここが別空間への隠し扉になっている。扉を開けるとそこは延々と続く廊下のような空間に。果てのない空間の中で、自分がどこにいるのか、どこに行けばいいのかわからなくなる。ふと足下を見ればそこには猫の足跡が。つられてカーテンを開くとそこにひとつの部屋があった。特上のサービスを受け、カーテンの間に戻ると、今度はパウダールームに通される。メイクを済ませ、ふと外に出ると、いつの間にかラウンジに戻ってきていた。」

廊下の様な空間は異世界感の演出や、距離感をぼやかすといった重要な役割を持っているが、実際の機能の面でも回遊型の導線を生み、クライアント同士が鉢合わせしない仕組みを作っている。